温泉

日本屈指の自然豊かなエリアとして知られる東北地方には、まだまだ全国的には知られていない秘湯や滝が点在しています。四季折々の美しい景観を楽しみながら、公共交通機関でのんびり巡る“スローな旅”を満喫してみませんか?今回は、アクセスしやすいルートやおすすめのスポットを中心にご紹介します。

乳頭温泉郷・鶴の湯温泉(秋田県)

茅葺き屋根に囲まれた秘湯感満載の宿

秋田県・乳頭温泉郷の中でも歴史が古い「鶴の湯温泉」は、茅葺き屋根の本陣と乳白色の泉質が印象的。雪深い冬はもちろん、新緑や紅葉の時期も絶景です。素朴で風情ある佇まいに癒されながら、ゆったりと湯浴みを楽しめます。

公共交通でのアクセス

JR秋田新幹線「田沢湖駅」から路線バスまたは送迎バス(※要予約)を利用して約40分~1時間。
田沢湖駅までは東京駅から新幹線で約3時間。

楽しみ方のポイント

風情ある露天風呂から眺める自然の景色は格別。男女混浴エリアもあるため、抵抗のある方は時間帯や専用の内湯・女性風呂などをチェックしましょう。
山の幸をふんだんに使った郷土料理「山の芋鍋」などを味わえるプランもあり。

酸ヶ湯温泉(青森県)

1,000人風呂で知られる国民保養温泉

青森県青森市郊外にある酸ヶ湯(すかゆ)温泉は、昔ながらの湯治場の雰囲気を色濃く残し、「ヒバ千人風呂」という広大な総ヒバ造りの大浴場が有名です。標高が高く積雪量も多いため、冬季の雪見風呂を求めて全国からファンが集まる人気の秘湯スポットでもあります。

公共交通でのアクセス

JR「青森駅」または「新青森駅」からJRバス東北「八甲田ロマンティック号」に乗車し、「酸ヶ湯温泉」バス停で下車。所要時間は約1時間前後。
新青森駅へは東京駅から新幹線で約3時間弱。

楽しみ方のポイント

酸性が強めの湯は、肌をきゅっと引き締めるような感覚。湯上がりに飲む名物の「玉子湯(卵入り甘酒)」や、酸ヶ湯ならではの地元グルメもおすすめです。
冬季は道路状況によって運休や遅延が発生する場合があるので、バスの時刻表をこまめに確認しましょう。

秋保大滝(宮城県)

“日本三名瀑”にも数えられる迫力の滝

宮城県仙台市郊外にある「秋保大滝(あきうおおたき)」は、高さ55m・幅6mというダイナミックな滝です。新緑の季節は清涼感に溢れ、紅葉時期には燃えるような赤や黄色のグラデーションが水しぶきと相まって一層美しさを増します。

公共交通でのアクセス

JR仙台駅から仙台市営バス「秋保大滝行き」に乗車し、「秋保大滝」バス停で下車。所要時間は約1時間。
滝見台まではバス停から徒歩数分、さらに滝壺まで下りる遊歩道もあるので、歩きやすい靴がおすすめです。

周辺のおすすめスポット

  • 秋保温泉郷
    滝からバスで15分ほど戻れば、秋保温泉エリアへ。日帰り入浴を受け付けている旅館も多いので、温泉とセットで楽しむのも◎。
  • 秋保・里センター
    地元の特産品や観光情報が集まる施設。足湯もあり、散策の休憩にぴったり。

公共交通で巡る東北旅の

移動中の絶景を満喫

ローカル線や路線バスから眺める雄大な田園風景や山並みは、まるで絵葉書のよう。車窓を楽しむ時間も、公共交通旅ならではの贅沢です。

旅程の自由度が実は高い

時刻表に合わせる手間はあるものの、その分「乗り継ぎの待ち時間」に周辺を散策したり、ご当地グルメを味わうチャンスが生まれます。思わぬ発見や人との出会いがあるのも醍醐味です。

雪道の運転リスクゼロ

冬の東北は積雪や凍結のリスクが高く、車やバイクでの移動に不安を感じる方も多いでしょう。公共交通なら、天候が悪くとも安全に目的地へ辿り着ける確率が格段に上がります。

東北には、都会の喧騒から離れた場所にひっそりと佇む秘湯や、圧倒的な自然の迫力を感じる名瀑が数えきれないほどあります。公共交通を使ってのんびり移動すれば、疲れにくいだけでなく道中に多彩な出会いが生まれるのも魅力。季節ごとに違う表情を見せる絶景に心を洗われながら、地元の方々とのふれあいや郷土料理を堪能してみてはいかがでしょうか。
きっと、新たな発見が待ち受けていることでしょう。

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