スイーツ

甘いもの好きにとって“ご当地スイーツ”の存在は、旅の楽しみを何倍にも膨らませてくれるもの。各地の風土や文化に根ざしたスイーツは、地域ごとに異なる素材や製法が活かされ、そこへ足を運ばないと味わえない特別感があります。今回は、車やバイクに頼らず巡るからこそ発見できる“地元ならではのスイーツ”を楽しむ旅のアイデアや、おすすめスポットを厳選してご紹介します。

北海道・小樽「LeTAO(ルタオ)」のチーズケーキ

北海道を代表するスイーツブランドのひとつ「LeTAO」は、小樽市内に数店舗を構えています。看板商品の「ドゥーブルフロマージュ」は、口どけのよいレアチーズムースとベイクドチーズケーキが二層になった贅沢な逸品。冷凍状態で購入して持ち帰ることも可能なので、お土産にもぴったりです。

  • 店舗例
    ルタオ本店(小樽市堺町7-16)
  • 周辺散策の魅力
    石造りの倉庫群や運河沿いのノスタルジックな街並みが特徴。スイーツ以外に海鮮丼やお寿司など、食べ歩きの幅も広がります。

宮城県・仙台「ずんだ茶寮」のずんだスイーツ

東北地方、とりわけ仙台の名物といえば、枝豆をすりつぶして作る「ずんだ」。その濃厚な風味を活かしたずんだスイーツで有名なのが「ずんだ茶寮」です。駅構内や主要観光地に店舗を展開しており、定番の「ずんだ餅」はもちろん、クリーミーな「ずんだシェイク」も人気。

  • 店舗例
    ずんだ茶寮 仙台駅ずんだ小径店(仙台駅3階)
  • 周辺散策の魅力
    仙台駅周辺からローカル線やバスを乗り継げば、松島や蔵王方面へもアクセス可能。ご当地スイーツを味わった後は、美しい景勝地へ足を伸ばす旅もおすすめです。

埼玉県・川越「菓匠右門」の芋スイーツ

“小江戸”の愛称で親しまれる川越では、江戸情緒ただよう蔵造りの街並みを散策しながら「芋スイーツ」を堪能できます。中でも有名なのが「菓匠右門」の“いも恋”や“蔵出し芋菓子”。ほくほくと甘いサツマイモを使った和洋折衷スイーツは、食べ歩きしながらの観光にもぴったりです。

  • 店舗例
    菓匠右門 一番街店(川越市幸町2-2)
  • 周辺散策の魅力
    時の鐘や菓子屋横丁といったレトロな見どころが集中し、徒歩で気軽に回れます。和雑貨やお煎餅など、思わず手が伸びる商品が多いので、お財布の紐がゆるみがちになるのも川越の“甘い誘惑”のひとつ。

京都府・祇園「祇園辻利」の抹茶パフェ

歴史と伝統の街・京都のスイーツといえば、やはり抹茶。宇治産の高級抹茶を惜しみなく使った「祇園辻利」の抹茶パフェは、クリームや寒天、白玉、小豆などが層をなしており、一口ごとに豊かな風味が口いっぱいに広がります。

  • 店舗例
    祇園辻利 本店(京都市東山区祇園町南側)
  • 周辺散策の魅力
    祇園の花街や八坂神社、石畳の古道など、和の風情が色濃く残るエリア。抹茶スイーツを堪能した後は、寺社巡りや伝統工芸品のショップめぐりにも最適です。

ご当地スイーツ巡りを充実させる“ひと工夫”

保冷バッグを持参

生菓子やチーズケーキなど温度管理が必要なスイーツは、保冷材だけだと真夏などには心許ないことも。折り畳み式の保冷バッグを持参しておくと安心です。

混雑を避けるタイミングを狙う

人気店は行列ができるほど混み合うことも多いので、平日や開店直後の時間帯を狙うとゆったり味わえます。特に観光地では早めの行動が鍵です。

周辺の観光情報をあらかじめ収集

スイーツ店だけでなく、近隣にある神社や公園、商店街のイベント情報もチェック。移動中に気になる場所を見つけたら、ふらりと立ち寄ってみるのも旅の醍醐味です。

各地に根づいた食文化を象徴する“ご当地スイーツ”は、旅に彩りと喜びを添えてくれる絶好のアイテム。口に運ぶだけで、その土地の歴史や風土、人々の思いまで味わえるからこそ、わざわざ訪れてでも食べたい価値があります。

しかも、車やバイクがなくても、鉄道やバスを上手に乗り継ぐことでスイーツの聖地を巡ることは十分可能。むしろ、移動中の車窓や街歩きで新たな発見をするチャンスが広がるというメリットも。
ぜひ次の休日には、気になる“ご当地スイーツ”のリストを片手に、ふらっと出かけてみてください。甘い誘惑に身を委ねながら、その土地の空気や人情まで丸ごと味わう、贅沢で豊かな旅が待っています。

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